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主な対象疾患

造血幹細胞移植

主に血液がんに対して、行う治療です。通常の抗がん剤治療では治りにくい患者さんが対象です。造血幹細胞移植は、自分の造血幹細胞を使用する自己移植、兄弟姉妹、骨髄バンク、臍帯血バンクなどから提供していただいた造血幹細胞を使用する同種移植に分かれます。

自己末梢血幹細胞移植について

多くの抗癌剤は使用する量を増やすことによって治療効果が高くなることが知られていますが、多くは骨髄(骨の中にある白血球や赤血球や血小板などの血液細胞を造る工場)に対する毒性のため、一定量以上を使用することができません。そこで自己造血幹細胞(自分の血液のもとになる細胞)を予め採取して保存しておき、大量の抗がん剤による治療後に解凍し、点滴により体に戻すことによってこの骨髄毒性を回避し、大量の抗がん剤の使用が可能となります。これを自己造血幹細胞移植併用大量化学療法と呼びます。

自己末梢血幹細胞移植の実際
自己末梢血幹細胞採取
移植を行うにあたり、まず患者さん自身から造血幹細胞を採取し、冷凍保存する必要があります。抗がん剤治療後の白血球減少から回復する時期、もしくは白血球を増加させる顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を使用して、血液成分分離装置を用いてゆっくり時間をかけて(通常は3~4時間)血液を循環させ、造血幹細胞を分離採取します。採取された造血幹細胞は、冷凍保存します。9割以上の患者さんで移植に必要な末梢血幹細胞を採取することが可能ですが、一部の患者さんで充分量の末梢血幹細胞が採取できないことがあります。
自己末梢血幹細胞移植併用大量化学療法
末梢血幹細胞採取後の病状や末梢血幹細胞採取状況等により、大量化学療法に移ります。大量の抗がん剤投与を行い悪性腫瘍の根絶を図った後、冷凍保存しておいた自己末梢血幹細胞を解かして、点滴投与します。これを移植といいます。移植後2週間以内に好中球が回復し、その後赤血球および血小板も回復します。

同種造血幹細胞移植について

同種造血幹細胞移植は、造血臓器である骨髄の欠陥に基づく白血病などの難治性疾患、もしくは造血器疾患以外の悪性腫瘍を治療するために用いられます。 レシピエント(ホスト)である患者の骨髄を正常ドナーの造血幹細胞で置き換える置換療法です。同種造血幹細胞移植は他の臓器移植(腎、心、肺、肝臓など)とは大きく異なり、移植されるのは造血幹細胞を含む骨髄液、末梢血幹細胞、もしくは臍帯血であり、移植は、実際は骨髄液や末梢血幹細胞の輸注です。骨髄液や末梢血幹細胞には、造血幹細胞だけでなく免疫担当細胞であるリンパ球も含まれるため、移植片拒絶(graft rejection)を免れても、移植片対宿主病(graft versus host disease: GVHD)が生じる可能性があります。生着したドナー由来造血幹細胞は、レシピエントの骨髄で分化増殖、自己複製を維持し造血組織を再構築されます。生着後は免疫系もドナー由来の造血幹細胞から分化した免疫担当細胞によって再構築されるので、固形臓器移植後と異なり長期間の免疫抑制療法が不要となることがあります。

同種造血幹細胞移植の実際

ドナーとしては、原則的にHLA-A, -B, -DRが遺伝的に一致する同胞が選択されます。HLA適合ドナーが得られない場合は骨髄バンクや臍帯血バンクを介した非血縁HLA適合ドナー、場合によってはHLAが完全には一致していない血縁ドナーからの移植が可能です。移植前治療の目的は、移植片拒絶を防止することですが、白血病など悪性腫瘍患者の場合はレシピエント内の残存腫瘍細胞を根絶する目的も加わり、強力な化学療法、放射線化学療法が実施されます。具体的には、フルダラビン、シクロフォスファミド、ブスルファンなどの抗がん剤や全身放射線照射などが用いられます。移植前治療終了後、ドナーからの造血幹細胞を点滴します。移植後は急性GVHD予防のためにメソトレキサート(MTX)、シクロスポリン(CyA)、タクロリムス(FK506)、などによる免疫抑制療法を原則的に6~12ヶ月施行します。

悪性腫瘍の治療

悪性腫瘍の治療としては、
移植前治療の大量放射線化学療法による抗腫瘍効果
移植後のドナー由来のリンパ球が悪性腫瘍を攻撃する免疫学的効果
の二つの作用があります。
移植をしない抗癌剤治療よりも抗腫瘍効果は高いと考えられますが、反面、種々の副作用もあり、移植特有の合併症の克服が重要な問題です。
移植中は、精神的および肉体的に種々の負担がかかります。これを軽減するために、緩和ケアやリハビリテーションを積極的に行います。

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