Research研究

造血幹細胞移植における合併症の早期発見と治療

造血幹細胞移植は血液疾患において高い有効性を誇る治療法ですが、その重篤な合併症として肝中心静脈閉塞症(veno-occlusive disease; VOD)があります。診断時には重症化して治療が困難であるため、早期診断法が求められていましたが、当科では消化器内科との研究で、超音波カラードプラーエコーによる門脈分枝レベルでの血液逆流がVODで認められることをはじめて見出し、この検出がVODの早期発見に有効であることを明らかにしています(Yoshimoto et al, 2001. 2003, Hashiguchi et al, 2005)。現在、さらにより正確な診断・治療を行うため、血管内皮細胞との関連および凝固線溶系を介した治療法の研究を行っています。

VODの超音波カラードプラーエコー像。造血幹細胞移植後Day6より門脈分枝レベルでの血液逆流を認め、
その後VODの治療により改善していることがわかります。

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