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「臨床血液」に、大屋 周期先生の論文が掲載されました。

「多中心性キャッスルマン病様症状を呈したIL-6産生パラガングリオーマ」

抄録

多中心性キャッスルマン病は,リンパ節病理像によって特徴づけられるリンパ増殖性疾患でIL-6高値を特徴としている。症例は17歳の日本人男性,発熱,頭痛,倦怠感,体重減少を伴っていたが,血圧は正常であった。臍下部に可動性良好な腫瘤を触知し,血液検査所見は小球性貧血,低アルブミン血症,IL-6高値,sIL-2R高値,VEGF高値を示した。造影CT検査で55 mm大の骨盤内腫瘤と腸間膜周囲のリンパ節腫大を認め,多中心性キャッスルマン病を疑い骨盤内腫瘍を摘出した。術後,血圧が緩徐に上昇し可逆性後頭葉白質脳症による痙攣を発症した。高血圧の精査で,術前の血中ノルアドレナリン,ノルメタネフリン高値が判明し,摘出標本でIL-6およびクロモグラニンAが陽性であることから,IL-6産生パラガングリオーマと診断した。多中心性キャッスルマン病に類似した発熱,貧血などを来す病態の鑑別診断として,血圧上昇を伴わない症例でもIL-6産生褐色細胞腫・パラガングリオーマを考慮する必要がある。

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/rinketsu/61/11/61_1605/_article/-char/ja/

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